安田善次郎「意志の力」

近代金融の祖と呼ばれ、銀行王と呼ばれた安田善次郎が記した「意志の力」を読んだので、印象に残った部分を引用して残す。大抵の場合、時代が違くても抽象化することで現代にも使えることが多いため、こういった本は参考になる。

揺るがぬ志を養成するための眼目は、自分がしなければならないことに対しては、たとえ欲すると欲せざるとを問わず、好むと好まざるとに関わらず、しなければならない時には必ずできるよう心を練っておくことである。しかし、決して容易なことではない。

ではどうやってこのように心を練ることができるのかというと、これには2つの方法がある。

第一は、日々の繰り返しによって習慣を作ること

第二は、楽しさを持って誘惑に打ち克つこと

当たり前のことであり、どこででも言われるようなことを当たり前のようにできることが尊いことであるというのは完全に同意する。組織に良い習慣を定着させるにも、同様に使えそうだなと思った。 

独立開店した当初の営業方針

第一は、自分だけの都合の良さで、他人の迷惑を顧みずに嘘をいうようなことは絶対にしないこと。

第二は、どんなことがあっても、不相応な生活は絶対にせず、当分の生活費は店の収益の十分の八を超えないこと。

第三は、それなりの財産ができても、純粋な財産の十分の一以上の家屋は求めないこと。

克己勤倹で有名な安田善次郎であり、いくつもの倹約家の逸話があるが、第二には抜け穴が見えるので、実際はどうだったのかはわからない。しかし、20%の内部留保を残しておこうとするのは、現在のような不景気時はやろうと思うが、世間が浮かれている時に危機感を持った意思決定をし続けられる人はそう多くない。

安田善次郎の「当たり前のことを徹底的にやる」という姿勢と具体性の高いアドバイスはやっておいて損はないので、定期的にみかえしたい。