NFT(非代替性トークン) に未来はあるか|活用例・ゲーム以外での事例

昨今、ブロックチェーンを活用したプロダクトは世間に数多くリリースされていますが、今回はイーサリアムのERC721を活用したNFT(Non Fungible Token) がどのようにビジネスに活用され、なぜ期待されているのか、現在のビジネスでの使用方法とNFT(Non Fungible Token) の将来性や今後こういうふうにビジネスに使われるんではないか、といった内容についてなるべくビジネスサイドの方から述べていきたいと思います。

今更NFT(Non Fungible Token)か、という方もおられるかもしれませんが、僕はブロックチェーン業界の中にいながらやみくもに「NFT(Non Fungible Token)がいい、ブロックチェーンがいい」と叫ぶのではなく、今ある世界にNFT(Non Fungible Token)がどう使われる可能性があるかという前提で話を進めます。

NFT(Non Fungible Token)とは

NFT(Non Fungible Token)とは、イーサリアムのERC 721規格により発行した「代替不可能なトークン」のことです。

この代替不可能なトークンというのを理解することが、まず1つ目の壁になるのですが、これは例を使って説明したいと思います。

代替可能性と代替不可能性について

まず「代替可能」と「代替不可能」の日本語的な意味から整理します。「代替不可能性」を辞書的に解釈すると「他のものと置き換えられないこと」という意味になりますので、逆に言うと「代替可能性」というのは「他のものと置き換えられること」になります。

例えば、Aさんから2ETH(イーサリアム)を送られて、その後 Bさんに2ETHを送ったとしても、イーサリアムに色がついているわけではないので、ETH自体の違いには気づきませんし、AさんからもらったETHも、Bさんに送ったETHも、価値は同等です。異なる人間が保有していたETHでも価値が同じだと明確に分かるためこの文脈におけるETHは「代替可能なもの」だと言えます。

もっと分かりやすく言うと、転売しても価値が変わらないものは代替可能性が高いと言えるでしょう。極端な例で言うと、千円札や一万円札は日本国内において、そこまで価値が変わることはありませんので、代替可能性があると言えます。

しかし、自分が頑張って作った粘土の置物や、ピカソの絵、プレミアがついたカードゲームのレアカードはどうでしょうか。時間や保存状態、時流によって価格が上下しやすく、価値が変わりにくいとは言い難いです。

つまり、保存状態やレア度がそれぞれすべて個別に独立しているため、全く同じ価値のカードや作品を見出すことは非常に困難だと言えます。

こういったアーティストの作品やプレミアがついたカードゲームのレアカードをトークンにしたものがNFT(Non Fungible Token)です。


NFT(Non Fungible Token) の現在の活用例

ノンファンジブルトークンとはどういったものなのかということについて話しましたので、次はNFTが現在どのように使われているかということについて話したいと思います。

現在ブロックチェーン業界ではNFTと言うと、NFTを活用したゲームがまず一番最初に挙げられます。(dappsゲームと言います)

ゲーム内のキャラクターやアイテムをNFTとして発行し、ユーザー同士がそれらをイーサリアムと交換することで、自分が作成したキャラクターが他のプレイヤーに使われる、といった面白さを提供しているものが多く存在しています。

しかし、NFTと言うとブロックチェーンゲームのイメージが強すぎるかなあという気もしているので、ここからひとつ考えを進めてみます。NFTの性質を生かして、こういう風に使ったら面白いんじゃないかというビジネスモデルを考えてみました。

NFT(Non Fungible Token) を証明書として使用する

ある特定の機関が物の預かり所として物を預かり、NFT (証明書)を発行します。その証明書は特定の機関しか発行できないため、その証明書自体が担保になったり、自らの資産であることの証明ができます。

そのため、その証明書自体が「〇〇円分の価値がある」とされていれば、現物がなくとも、その証明書自体で取引を行うことが可能です。つまり「物の価値= NFT(証明書)の価値」となるので、NFT自体が兌換紙幣としての機能を持つようになります。(これに関しては内容が飛躍しているので、ビジネスとしてちゃんとやるとなったらもっと考える必要があります。)

ブロックチェーンによってその価値が担保できていれば、偽物をつかまされるリスクや現物が劣化してしまって価値が低くなるリスク、盗難リスクを低減することができます。

あるいは、場所を取るけど資産価値があるものをNFT化して管理すると楽なのではないかなあと考えていました。

このビジネスモデルについてはすぐ思いつくだけでも、どこがモノの価値を保証するのか、もし管理している場所が燃えたらどうなるのか、既存の業界のプレイヤーが損害を被るモデルになってしまいそもそも受け入れられないのではないか、といった問題はあります。

資産として持っていて手放したくはないが、管理するのも大変である、だから価値としてまとめたいというニーズはあるんじゃないかなあと思います。(捨てられないけど取っておきたい的な)

後は、富裕層が非常に価値の高い絵を持っていたがそれを紛失してしまった、しかしその絵が文化的な価値を持っていて人類にとって非常に大きな損失であった。という社会的な意義も解決できるんじゃないかなあという感じです。

今回は NFTといったらゲームだよねという雰囲気が業界にあったので、オフラインと混ぜたらどうなるかなという側面から考えてみました。

まとめ

NFTとはERC721規格を利用した非代替性を持つトークンのことであり、現在はDappsゲームを中心に世の中にリリースされています。

しかし、非代替性を持つトークンは「兌換紙幣」とほぼ同じ性質を持つため、活用方法次第では大きなビジネスが生まれるような気がしています。

「紙幣を発行する」というと色々なところから色々な問題が出てきそうですので、問題は様々ありますが、モノがありあまる世の中で、証明書としてうまく機能することができれば非常に面白いビジネスになることが望めるため、目が離せません。